2008/04/24

Trifolium


α-7D+SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO

森を歩いているとよくわかるんですけれども、
斧が入ったことがない、
人が入ったことがない森、
というのがそこらじゅうにいっぱいある。

それで土が露出していないで、
シダやらなんかに覆われていますが、
草とも苔ともつかないもので森の床全部が覆われている。
それから風倒木が倒れてたおれっぱなしになっている。
これが実は無駄なように見えて実に貴重な資源なのであって、
風倒木がたおれっぱなしになっていると、
そこに苔が生える、
微生物が繁殖する、
バクテリアが繁殖する、
土を豊かにする、
小虫がやってくる。
その小虫を捕まえるためにネズミやなんかがやってくる、
そのネズミを食べるためにまたワシやなんかの鳥もやってくる、
森にお湿りを与える、
乾かない。
そのことが河を豊かにする。
ともう全てがつながりあっている。

だからあの風倒木のことを、
森を看護しているんだ、
看護婦の役割をしているんだ。
というのでナースログ(nurse-log)というんですけれども、
自然に無駄なものは何もない、
というひとつの例なんです。

そうすると人間にとってナースログとは何でしょうか?
無駄なように見えるけれども実は大変に貴重なもの、
というものも人間にはたくさんあるんじゃないか?
それぞれの人にとってのナースログとは何か?

無駄をおそれてはいけないし、
無駄を軽蔑してはいけない。
何が無駄で何が無駄でないかはわからないんだ。

ここがひとつの目の付け所ですね、これは大事なことですよ。
無駄なことしてると思うことはないんであって、
いつかどこかでまた別のかたちで甦っているのかもしれないんだ。



DVD『河は眠らない/開高 健』より

3 件のコメント:

  1. もやもや・・・混沌とストレス・・・いつかは栄養となって身に纏うものである。

    ・・・と思います。(笑)

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  2. バラシってマイベーシックに繋がっていくんですよね。
    そういう意味で貴重なナースログといえますね。

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  3. このコメントはブログの管理者によって削除されました。

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